
福部の家
■建築物概要
所在地 :鳥取市
主要用途:住宅 リノベーション
構造規模:木造 2階建て
延床面積:196.36㎡(約59.4坪)
施工会社:株式会社田中建設
■コメント
建築後、約50年が経過した住宅の部分的なリフォーム計画です。
1.生活環境の改善と利便性の高い間取り
既存建物は2間続きの和室と大開口の縁側を有する間取りでした。和室からは前庭や遠くの山々を望むことができます。リフォームに際してはこの好条件を生かすのが良いと考えて大胆に間取りを変更し、和室と縁側の境目をなくして1つの大きなリビングルームとしました。キッチンは見通しの良いアイランドタイプを採用し、広々とした一体感のある部屋になりました。また、縁側の一部は土間に改修して玄関と繋げ、一方通 行だった動線に回遊性が生まれました。
なお、リビングルームの各所には既存建物の建具や欄間を再利用しています。これは近年の建設費高騰を背景にコストダウンを図ったものですが、新たに設えた杉フローリングや漆喰調の壁紙などのナチュラルな材料と調和して趣のある意匠となりました。
水廻りには室内干しやアイロンがけも可能な広いランドリースペースを設け、現代で求められる家事の利便性にも配慮しています。
2.冬期の底冷えの改善
生活の中心となるリビングルームと水回りを中心としたゾーン断熱改修を行いました。開口部のサッシを高性能な製品に入れ替え、床は既存の根太高さに合わせて少ない厚みでも断熱性能が確保できるフェノールフォーム断熱材を、壁は複雑な下地状況でも密実な施工が可能な吹付硬質ウレタンフォームを充填。
一冬を超えた建築主に状況を伺ったところ、リフォーム前と比較して空調の効果が格段に向上したとの感想をいただきました。
3.耐震性の向上
設計に先立ち耐震診断を実施したところ、既存建物の耐震性能を示す指標であるIw値は0.1であり、安全と判断できる基準であるIw値1.0に対して大きく下回る状況でした。これは大開口のある縁側の影響で耐力壁の配置バランスが悪いのに加えて、本建物が垂直積雪量1.3mの多雪地域に属することも影響していました。
リフォーム後、生活の中心となる1階は最低限の耐震性の確保が必要であると考え、主要な壁には基礎・耐力壁・補強金物を増設。間取りの再構築に際しては耐力壁の配置バランスを十分に考慮した計画としました。






